医療
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Duchenne型筋ジストロフィー患者の夜間の不整脈と低酸素血症の関連について
安間 文彦本田 仁酒井 素子飯田 光男寺島 正義岡田 保林 博史下方 薫
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1993 年 47 巻 2 号 p. 104-110

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抄録

Duchenne型筋ジストロフィー症(DMD)患者の夜間の不整脈と低酸素血症の関連を明らかにするため, 20例のDMD患者を対象に, 就寝から起床まで, ホルター型心電計に心電図とSaO2を入力して検討した. 3例で平均心搏数が100以上の遷延する洞性頻脈を, 10例で多源性の重症の心室性期外収縮(VPB)を認めた. 動脈血酸素飽和度(SaO2)について, SaO2<90%の時間合計が11分以上の症例が6例, パソコンで算出した低酸素血症の頻度が11回以上の症例が11例であった. 安静覚醒時の動脈血ガス分析で, PCO2>45mmHgの低換気を示した症例は15例であった. VPBの出現頻度, 遷延する洞性頻拍, 平均心搏数と低酸素血症の重症度の指標(SaO2<90%の時間合計, 最低SaO2, 低酸素血症の出現頻度)の間には, 明らかな関連を認めなかった. 心電図とSaO2の同時記録装置は, とりわけDMDなど複雑な病態を呈する疾患における長時間生体モニターとして有用と思われた.

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