医療
Online ISSN : 1884-8729
Print ISSN : 0021-1699
ISSN-L : 0021-1699
重心病棟における歯ブラシの消毒に関する検討
倉田 さつき金谷 誠久水内 秀次永禮 旬
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 47 巻 2 号 p. 121-125

詳細
抄録

重症心身障害児者(以下重心)病棟において一括して施行するハブラシの洗浄消毒方法について検討した. 入院患者歯磨き後のハブラシを水道水流水, 0.5%グルタルアルデヒド, 0.1%次亜塩素酸ナトリウム, 85℃高温乾燥機, 70℃流水でそれぞれ洗浄, 消毒し, 好気性菌について残存菌数を比較した. また種々の細菌をハブラシに付着させ, 同様の洗浄, 消毒後の残存生菌数を比較した. さらにハブラシに残存した細菌群をより短時間で除菌する目的で, 電子レンジによるマイクロ波照射を湿潤状態, 乾燥状態の歯磨き後のハブラシに対して行い, 残存菌数の測定を行った. ハブラシに付着した細菌の除菌についてはグルタルアルデヒドと70℃の流水がそれぞれ充分な除菌効果が得られたが, 前者は毒性が残留するため, 湯を用いての洗浄が重心病棟で日常行いうる有効な方法と考えられた. 電子レンジでは, ハブラシの湿潤, 乾燥にかわからず, 5分の照射で充分な殺菌効果が認められた.

著者関連情報
© 一般社団法人国立医療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top