医療
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臨床研究と臨床疫学
新保 卓郎
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1993 年 47 巻 5 号 p. 313-320

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抄録
臨床疫学とは疫学手法の応用により臨床の問題に接近しようというものである. これにより, 医療の定量的評価が可能であり, 医療の最適化を図ろうとするものである. 研究方法としていくつかあるが, 仮説を検証できるものとして, 症例対照研究, コホート研究, 無作為化比較試験などがあり, それぞれに長所短所がある. 研究施行上陥りやすい問題点は偏り, 交絡因子, 偶然であり, これらに対処する方法も様々ある. 無作為化比較試験は因果関係を示す力が最も強いが, 結果を解釈する上でまた試験を計画する上で多くの注意点がある. 臨床研究の実施には初期の計画段階から疫学者の参加が望ましい.
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© 一般社団法人国立医療学会
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