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Duchenne型筋ジストロフィー患者におけるCTによる心胸郭比の測定
加地 英生石原 傳幸川村 潤青柳 昭雄
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1993 年 47 巻 6 号 p. 390-393

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抄録
Duchenne型筋ジストロフィーの死亡原因の約1割は心不全により死亡するといわれているが, 今まで心機能障害の明確な指標は胸部レントゲンによる肺野のうっ血所見と心拡大が主であった. したがって, 心不全の予後判定, 心不全治療薬の投与時期決定や効果判定についての明確な指針を与える客観的なパラメーターがなかった. 胸部レントゲンによる心拡大を表わす心胸郭比(CTR)は一般患者では心拡大の程度をよく反映し, 臨床的にも応用されている. しかし, 筋ジストロフィーでは胸郭の変形の程度が著しく心陰影拡大の程度を正確に反映しない.
今回我々は当院入院中の筋ジストロフィー症患者40例を対象に心臓胸郭体積比(CTRV)をCTにより求め, 心肥大の程度を従来のレントゲンによるCTRと比較し胸郭変形を伴う本症の心肥大の新たなる指標となるかどうかを検討したので報告する.
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© 一般社団法人国立医療学会
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