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活動性肺結核症と肺癌の合併症例の臨床的検討
河野 昌也鬼塚 徹大津 達也瀧川 修一松浦 憲司中川 昭十
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1993 年 47 巻 7 号 p. 532-537

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抄録

今回, 当院にて過去5年間に入院した活動性肺結核症468名において5例の肺癌合併症例を経験した. 症例はすべて高齢者男性であり平均年齢は75歳, 同部位発症腫瘍先行型が1例, 対側発症同時発見型が3例, 同側発症同時発見型が1例であった. 肺結核は学会分類III型が多く, 肺癌組織型は扁平上皮細胞癌が2例, 大細胞癌が2例, 小細胞癌が1例であった. ステージはIが4例, IIIaが1例で早期癌症例が多く, 積極的治療が期待されたが, 全身状態が不良なため癌死する症例が多かった. 全例, ツベルクリン皮内反応(以下ツ反と省略)陰性のため, 細胞性免疫機能をPHA及びConAによる末血リンパ球幼若化試験にて検討した結果, 同試験の低下を認めた.

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