医療
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子宮頸部上皮内腺癌の2症例
―その細胞像およびDNA解析―
中野 孝之渡辺 豊治斉藤 英子板倉 紘一矢野 方夫沼田 ますみ大貫 敬司小野田 登竹内 廣和泉 滋
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1994 年 48 巻 9 号 p. 767-771

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抄録

子宮頸部扁平上皮癌は, 人体諸臓器の癌のなかで最もよく研究されている分野の一つで, 細胞診断学的にもほぼ確立され, 早期発見が可能となっている. しかし, 子宮頸部腺癌に関しては, 細胞所見と組織所見との対応に関する知見の集積が十分でなく, 早期発見はいまだ困難であるといわざるを得ない. 今回我々は, 術前に診断し得た子宮頸部上皮内腺癌の2症例において, その細胞診所見について再検討を加え, さらに, その腫瘍細胞のDNA contentをフローサイトメトリーによって解析した. これらの症例において, 偽重層, 柵状配列, 羽毛状の細胞集塊の配列が認められた. さらに, 細胞質内空胞, N/C比の増大, 核配例の極性の乱れ, 核小体明瞭化が見られ, これらの所見は初期子宮頸部腺癌の細胞診断上有用であると考えられた. なお, 今回報告する2症例ではともにDNA anueploidyが検出された.

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