医療
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ヘルスサービス研究とその可能性
―米国の医療改革を参考として―
尾藤 誠司
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1998 年 52 巻 11 号 p. 650-656

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抄録
現在行われている医療の質をより改善するため, 医療プログラムや健康政策などを評価するための様々な努力がなされており, そのような研究はヘルスサービスリサーチと呼ばれている. 近年医療システムのダイナミックな変化を遂げた米国では, 医療やケアをより効果的・効率的, さらに公平に提供するための研究が活発に行われている. 本稿では米国での例をまじえヘルスサービスリサーチの内容を総合的に紹介し, また今後のわが国における研究の重要性について示唆を試みた. ヘルスサービスリサーチの主な対象は, 医療の利用に対しての「アクセス」, 医療資源の有効利用などを評価する「コスト」, そしてケアの内容を評価する「クォリティ」に大きく分類される. 今後高齢化社会を目前としたわが国のヘルス・システムにとって, クォリティを中心とした医療評価研究はきわめて重要であり, 臨床をベースとした本邦での活発な研究活動が期待される.
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© 一般社団法人国立医療学会
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