2001 年 55 巻 10 号 p. 510-515
スモンSMONとは, subacute myelo-optico-neuropathyの略であり, 患者がその胃腸症状に服用していたキノホルムによって惹起された神経中毒疾患である. 日本各地1960年代の終わりにかけて発生し, 全国で11,127名の患者が確認された. 日本における難病研究の原点となる疾患で, わが国ではスモンから難病研究・対策が始まったと言える.
本稿では, 日本におけるスモン研究への取り組み, スモンの疫学, 病体, 治療, 筆者自験具体例および最近のスモン研究班の活動などについて概説した.