昨今の医療を取り巻く社会的情勢はまことに厳しいものがある. つい先日も国立医療施設の医療事故が開示され, マスコミに大きく取り上げられたばかりである.
国立医療機関は政策医療を遂行するのが本業であり, 政策医療の中で今回取り上げる神経筋疾患の医療は大きな位置を占めているのは疑いのない事実である. 神経筋疾患のケアを続けてゆけば, 呼吸器治療に真剣に対応せざるをえない. 時には20年間にわたる期間を安全にケアすることに挑戦しているのが国立医療機関の現状である.
それぞれの疾患でリーダーシップをとっておられる各医療機関のかたがたに, 自施設での取り組みを執筆していただき, 全国の施設の参考になることを企画した. 現状のままでよいとは決していえないが, 今回の特集を参考にしてより安全なリスクマネジメントが確立されることを願ってやまない.