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超音波メスを用いてskeletonizationされた内胸動脈グラフトに発生した狭窄の検討
深田 義夫西村 哲也市川 洋一
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2003 年 57 巻 3 号 p. 181-185

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抄録
超音波メス(US)は内胸動脈(ITA)のskeletonizationに有用と報告されているが, われわれの前期症例に高頻度にグラフト狭窄が発生した. 手術方法を変更し, 変更前後のグラフト狭窄発生頻度につき検討した. 対象はUSにてITAをskeletonizationした冠動脈バイパス症例28例で, 手術変更時期により前期群(E群)14例と後期群(L群)14例にわけた. 変更点は, 1) ITA剥離開始部位を胸横筋筋膜部から, 中枢よりの脂肪組織部へ変更し, 2) この筋膜をUSで切開していたことを, 鈍的に筋束から剥離した後, 弱い電気メスで切開する. 3) より軽く, より早くH. S. を操作する事であった. グラフト狭窄発生率はE群20%からL群0%へ有意に減少した. 硬い胸横筋筋膜の切開のため頻回にUSを使用することが熱障害を起こし, グラフト狭窄の原因となっていた.
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© 一般社団法人国立医療学会
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