2004 年 58 巻 4 号 p. 234-235
平成16年度より国立病院・療養所はナショナルセンターとハンセン病施設を除きすべて独立行政法人機構に移行する. これはわが国における大きな行政改革の1つであるが, 附属看護学校も当然運営面で強い影響を受けると考えられる. このような大きな改革の背景の下, 本シンポジウム開催の主旨は2つに分けられる. 1つは, わが国全体の看護師需給の面からみた国立病院・療養所附属看護学校存続の意義であり, 他の1つは国立大学看護学部, 民間の看護大学, 看護学校が並存する中で国立病院・療養所附属看護学校が社会に対して有意義な看護師を養成することができるというメッセージを示せるかである.
厚生労働省からは現在の看護師需給の面から, なお国立看護学校の存続意義は大きく, また, 専門性の高い看護師, とくに認定看護師(CEN)の育成や, 卒後看護臨床研修制度の必要性が示された. さらに, 看護大学からは大学院構想が, 国立看護学校からは国立看護学校のネットワークを利用する教育方針が, ナショナルセンターからは全国唯一の看護大学校に加えて全国8拠点に大学校の増設や, 大学校と専門学校との連携などの提言があった.