2006 年 60 巻 3 号 p. 162-166
当院では平成14年4月より神経難病デイケア(デイケア)を立ち上げ, その有用性について身体機能の継時的変化について客観的指標を用いて検討してきた. 平成14年10月から平成16年6月の2年8ヵ月間の身体機能の変化では, Yahr重症度で15名中4名の低下がみられた. 有意に低下を示した身体機能項目は, 上体そらし(p<0.01)と歩行速度(p<0. 05)であった. Unified Parkinson Disease Rating Scale(UPDRS), 寝返り所要時間, 最大一歩幅, 膝伸展筋力, 椅子からの連続立ち上がり回数, Functional Independence Measure(FIM), では有意差は認められなかった. 生活能力としての変化も客観的に認められず, 日常生活満足度の身体機能項目で満足度が高まったことと強い関連性があるものと考えられた. また参加頻度が高い者に身体機能の低下が少ない傾向がみられ, 継続的且つ頻回に運動を続けることが身体機能の維持・改善に役立つことが示唆された. 今後もデイケアの特性である多面的アプローチを十分活用する必要がある.