医療
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長期療養が必要なHIV感染者の受け入れ施設についての検討
永井 英明池田 和子織田 幸子城崎 真弓菅原 美花山田 由美子今井 敦子遠藤 卓大野 稔子河部 康子小西 加保留山田 三枝子
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2008 年 62 巻 11 号 p. 628-631

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抄録
Human Immunodeficieny Virus (HIV)感染者の中で, HIV感染症は安定しているが中枢神経系の後遺症のために長期療養が必要な患者の増加が予想されている. 彼らを受け入れる可能性のある施設として, 介護老人保健施設, 特別養護老人ホーム, 療養型病床保有施設, 障害者施設等入院基本料の施設基準取得病院の4施設に対してHIV感染者の受け入れについてのアンケート調査を行った. 11, 541施設中3, 723施設(32.3%)から回答が得られた. HIV感染者を受け入れる基準を決めている施設は1.6%にすぎず, 75.5%は受け入れを考えていなかった. 受け入れられない主な理由としては, 院内感染のリスク・不安, 診療経験がない, 職員不足, 設備・環境が整っていない, 医療費の問題などが挙げられた. HIV感染者の受け入れを可能にするためには, 職員に対する積極的な研修活動が最も重要と思われた. さらに診療報酬の面からの支援および医療面での拠点病院の支援が必要であることが明らかになった.
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© 一般社団法人国立医療学会
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