テレビジョン学会誌
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撮像管解像度に対するセルフシャープニング効果の影響
倉重 光宏
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1983 年 37 巻 5 号 p. 401-407

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抄録
本論文は, 低速度のビームランディングに固有のセルフシャープニング効果が撮像管の解像度決定にどう寄与するかを明らかにすることを目的として, 同効果を支配する代表的な3つのパラメーターである, ターゲット蓄積容量, 信号電流, 走査線ピッチを選び, その影響を実測, および筆者が確立した解析理論により検討したものである. その結果, (i) セルフシャープニング効果は上述した3つのパラメーターに顕著に依存し, 例えば代表的な撮像管の設計に見られる蓄積容量数千pFのターゲットに対して数十%の解像度改善をもたらすこと, (ii) しかし, 本効果は蓄積容量が3000pF以上の場合や信号電流が数10nA以下では消滅すること, また (iii) 走査線本数を適度に増やすと本効果によって垂直解像度が顕著に改善されることなどが実測, 理論とも一致した結論として得られ, 今後の撮像管設計や撮像管の使いこなしに必須の貴重な指針が得られた.
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