テレビジョン学会誌
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CCDの残像特性の解析
吉田 興夫
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1984 年 38 巻 11 号 p. 1001-1008_1

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抄録
CCDのフォトダイオードから, その蓄積電荷を転送する際の不完全転送モードの残像が, ビジコン形撮像管の容量性残像の解析方法を適用して求められた.フォトダイオードにビジコンターゲット, 流出する転送電流に流入する電子ビーム, フォトダイオードの蓄積電荷の電位にターゲットの表面電位が類比対応する.解析の結果, 撮像方式の差によるフィールド残像とフレーム残像は, 第1フィールドで後者に50%の残像が出るが, その後は両者の残像がまつわりついて変化し, 大きな差がないことがわかった.フレーム残像が目立つのは, 被写体画像端に走査線ごとの白黒の凹凸があり, インターレースのフィールドごとに, 被写体が移動する距離の倍の画素数の範囲でゆらゆらと振動するためと考察した.完全転送モードの残像は実用上問題ない.
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