1986 年 40 巻 11 号 p. 1140-1146
ビデオハードコピーの画質は, プリンタで記録する像の点広がり関数に依存し, この関数の理想特性からのずれが画質を損なう大きな要因となっている.CRTプリンタは解像度や記録濃度幅などの点で高画質出力に有利な方式である.本文では, ハードコピー再現過程における線形性, 点広がり関数について解析し, 試作CRTプリンタによる実験結果と照合し, 解像度低下と内挿誤差の少ない記録を行うための走査線内挿の条件を明らかにした.また, 妨害の少なくなる内挿条件を見出すため, 走査線妨害を雑音と見て実効値で定量化する評価手法を提案した.以上によって得られたパラメータにより, 通常の写真に近い品質のハードコピーが得られた.