テレビジョン学会誌
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カーボンファイバビーズを混合したテレビ周波数用コンクリート電波吸収体
清水 康敬西方 敦博丸山 統雄杉山 章
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1986 年 40 巻 8 号 p. 780-785

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抄録
高層建造物によるテレビ電波の反射に起因するテレビゴースト障害対策として, 建物の表面にフェライト電波吸収体を施工する方法は極めて有効であり, 各地で実用化されているが, 重量, 施工性等に難点がある.そこで従来から優れた建築材料として認められているコンクリートに, カーボンファイバとカーボンビーズを混合した新しい型の電波吸収体を開発した.まず, コンクリートに上記混合材の混合比を変えた場合の複素誘電率を測定し, 実現可能な材料定数の範囲を求めた.次に, VHFテレビ周波数域において優れたコンクリート電波吸収体を設計する方法を述べ, 7.9cmと15.9cmのコンクリートパネル2枚を重ねる構造によって100MHzと200MHzで整合した双峰特性をもつ優れたテレビ周波数用電波吸収体が得られた.このコンクリート電波吸収体は, それ自体が建材であるので, テレビゴースト障害対策用建物に効果的に利用できると思われる.
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