テレビジョン学会誌
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市街地テレビジョン移動受信における画像品質劣化の検出
河徳 鎬竹内 勉池上 文夫吉田 進
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1986 年 40 巻 9 号 p. 892-898

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抄録
都市内移動通信においては周囲の建物の影響による多重波干渉フェーディングが通信品質を著しく劣化させ, 画像信号伝送に対する大きな障害となる.テレビ放送の移動受信における画像品質劣化は固定受信の場合と全く異なる状況を示し, 移動に伴って時々刻々複雑に変化するので新しい画像品質評価法を必要とする.本論文では, 野外および室内での基礎的実験によりテレビ移動受信における画像品質劣化の原因の中でゴースト・フラッタが最も重要であると考え, その原因と特性を調べた.ゴースト・フラッタはテレビ受像機の水平同期パルスの時間的ゆらぎとして検出できる.水平同期パルスタイミングの多重波条件に対する変化を解析してその特性を明らかにし, 実測されたゴースト・フラッタの特性と伝搬構造との対応がよく理解できた.この結果, 水平同期パルスの時間的ゆらぎ量が移動受信画像品質の定量的評価尺度となる可能性のあることを示した.
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© 社団法人 映像情報メディア学会
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