テレビジョン学会誌
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画像の段階的アダマール変換符号化方式
山口 昇伊東 晋木原 良彦宇都宮 敏男
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1989 年 43 巻 10 号 p. 1056-1064

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抄録

画像データベースなどを対象とした高能率な段階的符号化方式を提案する.第1段階では, 4×4画素ごとの平均値により構成された縮小画像を適応的DPCMにて符号化する.第2および第3段階では, 前段階での再生画像を補間フィルタにより縦横共に2倍に拡大した後, 段階間の補間残差信号を適応的にアダマール変換符号化する.この補間フィルタは乗算が不要な簡易なものであるが, 単に平均値を分離した場合に比較して, 補間残差信号電力を約2dBも低減することができる.また, 各段階に対して適切な符号化歪みの設定値を与えることで, 多段階化に伴う性能劣化を防止している.本方式では, 乗算の少ない簡易な符号化処理を採用しているにもかかわらず, 優れた符号化特性 (SIDBAのGirlでは0.989b/pelで37.1dB) が達成されることを示した.さらに, 本方式に軽微な変更を加えるだけで, 指定レートでの符号化が精度良く実現されることを確認した.

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