テレビジョン学会誌
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MUSEデコーダ用波形等化器の開発
岩舘 祐一二宮 佑一
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キーワード: デコーダ, 波形等化
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1990 年 44 巻 2 号 p. 173-178_1

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抄録
ハイビジョン放送衛星伝送方式であるMUSE方式は, サブサンプリングを用いて映像信号を帯域圧縮し, サンプル値として伝送する方式である.サブサンプルされたテレビ信号に生じる伝送ひずみは, 画面上ではリンギングとなって現れる場合が多い.このような伝送ひずみによる画質を改善するために, MUSEデコーダに内蔵できる小規模な波形等化器を開発した.
本等化器では, 本線A/D変換器とは別に, 2倍のサンプリングレートで動作するA/D変換器と可変タップディジタルフィルタを用いて補正信号を作り, 本線信号に加えることにより等化を行っている.本等化器は小規模なものではあるが, 振幅特性で±1~2dB, 群遅延特性で±10~15ns程度の周波数特性偏差を持つ伝送路に対して, ひずみを検知限程度に軽減する能力を持っている.また, これまで厳しいとされていたMUSE信号の所要伝送路特性を緩和できるものと考えられる.
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