テレビジョン学会誌
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NTSC方式と互換性のある信号多重方式における現行受像機への妨害抑制方法
蓼沼 眞鈴木 正一矢島 亮一田中 豊
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1990 年 44 巻 3 号 p. 321-328_1

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抄録
NTSC方式信号との互換性を保ちつつ, 画像の高精細度情報などの付加信号を多重する場合, 現行受像機で復調した画像には, その多重信号による画質妨害が必ず生じる.本論文では, この妨害を視覚的に低減するために, 多重用変調キャリアの位相をライン間およびフィールド間でシフトする方法 (シャフリング) を提案する.まず, 位相をシフトしたキャリアの3次元周波数配置について考察し, 視覚の時空間特性との関係から多重信号が与える輝度および色に対する視覚的な妨害の量を推定する.そして主観評価実験を行ってこれを検証し, 最適なシャフリングのパタンを選定する.最後に総合的な画質評価を行い, 心理尺度上での妨害量が, この最適なシャフリングによって50%以下に抑圧され, 絵柄によっては38%以下にもなることを示し, その有効性を実証する.
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© 社団法人 映像情報メディア学会
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