テレビジョン学会誌
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頭部追跡型立体画像投写表示技術の検討
一之瀬 進鉄谷 信二志和 新一田中 知明石橋 守人
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キーワード: 立体, 画像, 投写, 頭部追跡, 表示
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1990 年 44 巻 8 号 p. 1027-1033_1

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抄録

特殊な眼鏡を使用する従来の立体画像表示技術は, 観察者に不自然感, 不快感を与えるため, 眼鏡を使用しない表示技術の開発が望まれている.本検討では, レンティキュラスクリーンと2台の液晶プロジェクタ, および観察者の頭部位置を電子的に認識, 追跡する頭部認識追跡装置からなる新しいコンセプトの立体画像投写表示技術を提案し, 実験装置を試作した.レンティキュラスクリーンとしては, 縦1000mm, 横900mm, ピッチ0.5mmの反射タイプを試作した.液晶プロジェクタは, 横640画素, 縦440画素の画素からなる約6インチの単板液晶パネルをライトバルブとした装置を試作した.頭部認識追跡装置は, 観察者の頭部に装着した位置検出素子で観察者頭部の位置を検出し, その位置信号で液晶プロジェクタに入力する信号を制御する構成とした.実験検討の結果, 対角長44インチの立体表示が可能なこと, 頭部の認識追跡が可能なこと, 表示面から奥行き方向に約2100mmの位置で, 左右方向に約600mmの範囲で立体視が可能であることを確認した.

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