テレビジョン学会誌
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TATによる画像信号の差分FM多重伝送方式
劉 福生谷本 正幸
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1990 年 44 巻 8 号 p. 1097-1104_1

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抄録
高度情報化社会では, 限られた伝送路を有効に利用し, より高品質, 大量の情報を伝送することが重要な課題である.本論文では, 1チャネルの伝送帯域幅で2チャネル分のテレビ信号を伝送する多重伝送方式の開発を目指し, 画像信号の画素数を削減するTAT方式と振幅の冗長性を削減する差分化を利用する新しい多重FM伝送方式を提案する.本方式は, まずTAT方式を利用して二つの画像信号を周波数帯域を広げることなく多重する.次にこの多重信号を差分化して得られる差信号を振幅圧伸してFM伝送する.差分FM方式のSN比の解析を行い, 差分化と振幅圧伸により約6dBのSN比の改善が得られることを明らかにした.これを基にして, 通信衛星を利用した国際間テレビ多重伝送システムも放送衛星を利用した多重放送システムの設計を行った.その結果, 従来の1チャネルの伝送路帯域幅を用いて二つのテレビ信号を40dB以上の無評価SN比で伝送できる見通しを得た.
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© 社団法人 映像情報メディア学会
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