テレビジョン学会誌
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ランダムドットステレオグラムによる立体知覚時眼球輻輳運動の解析
河合 秀夫岡崎 耕三大野 修司田村 進一可児 一孝光本 浩士副井 裕
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1991 年 45 巻 1 号 p. 77-85

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抄録
人間の立体視メカニズムの解析は, 人工知能, 認知科学, ニューロンコンピュータの研究と関連して各方面で興味をもたれている.我々は, 赤外線テレビ眼底カメラを使用して, 被験者に静止RDS (Random-Dot Stereogram) および動画的RDSを呈示し, 呈示時から立体視にいたる過程での両眼眼球の水平・垂直方向の運動を眼底画像の動きから測定した.その結果, 従来眼球輻輳運動は立体視要因の一つであると考えられてきたが, これに対して, 我々はこの運動は左右対応点探索時には見られず, むしろ立体知覚後の立体保持過程に出現するという興味ある結果を得た.また, 被験者がRDSのどこを注視して立体視したかを知るため, その計測結果から輻輳角を求め, それをもとに3次元的な注視点解析を試みた.本論文は, この両眼眼球運動の計測手法および, 3次元的注視点解析について述べ, 結果の検討を行う.
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© 社団法人 映像情報メディア学会
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