抄録
第44代米大統領に就任したオバマは、スビーチの名手との評価を受けている。本稿では、オバマの政治レトリックの戦略と今後の可能性を分析する。第 1に、オバマのレトリックの特徴を明らかにする。次に、大統領選最大のメディア・イベントである TVディベートを考察する。第 3に、オバマの大統領就任演説のジャンル分析を提示する。最後に、プラハにおける非核演説を、政治コミュニケーションの観点から分析する。大統領キャンペーン、就任演説、国際社会に向けての呼びかけと、それぞれのオバマのレトリック戦略を考察することで、今後のレトリカル・プレジデンシーのあり方を考える。