1969 年 7 巻 p. 11-13
わが国では、否定語が特にall, both, every などの代名詞、形容詞、あるいはalways, quite等々の副詞を伴っている場合を、部分否定とよび、nothing, none, not-at allなどの語句を伴っている場合を全否定とよんで区別している。Jespersenは、MEGその他において、Special (またはNexal) Negation の項でこの問題を詳論しているが、この方面の研究では、なお現代の英米の小説等にあらわれている使用例についてみると、従来の文法家の諸説ではまだ尽されていない点があると思う。で、そうした方面の用例を中心に研究を進めてみたいと思うのだが、今回はその一端を発表して、ご批評を仰ぐこととした。