2024 年 11 巻 p. 67-84
This study reports on a trial workshop which helps science majors prepare for a presentation of an academic paper at an international conference. The authors of this study designed preparatory workshops for Japanese university students who were scheduled to give oral presentations in English in the field of information science in 2022. Six university students, both undergraduate and graduate, rehearsed their presentations, learned phrasal expressions for use at academic conferences, and walked through strategies in Q and A sessions. After the conferences, they were interviewed individually via Zoom to collect their reflections on their presentation experiences. The interview data, transcribed and analyzed using KH Coder and NVivo, revealed that the workshops were overall beneficial in preparing for a planned presentation in English. However, it was suggested that the workshops should also cover improvised communication skills in Q and A sessions and small talk at academic conferences. Also, the data showed real voices of the participants who engaged in authentic communication in their respective disciplines, although the sample size is limited. It is hoped that this study serves as a prototype of support programs for prospective presenters at academic conferences.
著者らは東京都内私立大学理系学部にて,この学部に所属する学生のニーズに合ったEnglish for Specific Purposes (ESP) 教育開発を目指している。2020年度から2021年度にかけてSTEM (Science, Technology, Engineering, and Mathematics) 分野で,学生と専門科目教員を対象に,英語学習に関する聴き取り調査を行ったところ,これらの分野では,学部生のうちから国際学会にて英語で研究発表を行う機会があること,またそのような場で英語で研究成果を発信できる能力の育成が求められていることが明らかとなった (Kawano & Fukuchi, 2022) 。社会の要請を受けて,文部科学省が数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度を設立し,長期的なデータサイエンティスト育成計画が始まったが,この分野は日進月歩の研究領域であり,英語でいち早く成果を発表しなければならない。そこで聴き取り調査を行って,成果発表の流れを調べたところ,STEMの多くの分野ではまず国際学会に論文,あるいは一定の長さのプロシーディングスを執筆して応募し,それが採択されれば口頭発表,あるいはポスター発表を行うという手順になっていることがわかった。英語教育学や応用言語学の分野においては,学会で口頭発表を行ったことをその後論文にまとめるという順序が一般的であるが,例えばSTEMの中の情報科学分野においては,逆に,最初に英語の論文執筆が行われることから成果発表の流れがスタートしていた。そこで筆者らは,その学術的慣習に基づいて,学生が国際学会にて採択された英語論文を,口頭発表する際の支援プログラム開発を目指した。理系学生の中には,自分の専門分野について英語でコミュニケーションをとったり,自信を持って英語で発表したりすることに不安や苦手意識を感じる学生もいる。照井他は理工系の少なからぬ学生が,「英語力を高めたいと願いながら,英語力に自信が持てない」ことを指摘している (2016, p.123)。そのような背景を受けて,理系学生1名を対象に論文指導から発表援助までの個別指導を行った。Kawano and Fukuchi (2022) における専門科目の教員と学生,計15名を対象にした聴き取り調査でも,国際学会発表の前には研究室やゼミの先生が個別に準備指導を行っており,体系だった支援プログラムはあまり知られていなかった。そこで本研究では,英語の教員と専門科目教員が協働して,情報科学分野の国際学会で発表が決定している学部学生と大学院学生合計6名を対象に,発表支援のためのワークショップを設計,試行し,その効果を検証することによりプロトタイプの確立を目指した。実際の研究の流れとしては,国際学会前に参加者のニーズを把握するためアンケートを実施し,ワークショップの指導案と教材を作成した。そして国際学会発表後に半構造化インタビューを実施して参加者に発表とワークショップの効果について振り返ってもらい,その発言を記録し分析を行った。国際技術学術研究所 (https://www.nistep.go.jp/) によれば日本は科学技術論文の発表数が昨今,国際ランキングで低下していることが報告されており,理系学生の英語プレゼンテーション能力の向上は喫緊の課題である。この研究は小規模ながらもその課題解決に向けての1つの具体案を示すことも目指した。
日本の大学生を対象にしたプレゼンテーションスキル上達のための教材は多く出版されているが,本研究の対象者は理系学生であるため,既存の理系学生向けの教材を中心に調査した。ESPの観点から,理系分野で学会発表の方法を指導するためには,専門分野に則した,その分野のコミュニティにおいて認められた書き方や発表方法を教えなければならない (Hyland, 2007) 。理系学生と研究者向けの教材は,英語教育の専門家の視点で書かれた著書 (島村, 2017; 野口他, 2014; 野口・深山, 2020; Langham, 2013) と,理系分野における研究者の先輩という立場で書かれた手引書 (廣岡, 2009; 森村, 2014) があるが,これらはプレゼンテーションの構想から発表資料の作成,そして英語での発表方法などのノウハウを指南するものである。筆者らは,これらの著書を参考にしながら,ジャンルを意識したワークショップ教材を作成し,指導案を作成して実践に用いた。
次に,プレゼンテーションに特化した教育実践や,教育的介入の効果を論じた研究は限られている。Omotedani and Sannomiya (2023) は,メタ認知の観点からプレゼンテーションコースの有効性を調査している。パワーポイントを使用した口頭発表スキルを英語専攻の学生に明示的に指導した結果,スクリプトを単に暗記するというより,ディスコースマーカーに配慮しながら,キーワードをもとに発表することが効果的に学習できたと示唆している。また,本研究の対象学生と同じ,理系の学習者を対象にしたプレゼンテーション指導法として,藤井 (2019) の高等専門学校における実践が挙げられる。藤井は,アジア諸国が急速に発展する中で,技術開発に携わる人材養成の観点から,英語プレゼンテーション能力の滋養の重要性を指摘する。高専専攻科1年生31名を対象とした工業英語の授業で,プレゼンテーションを15回の授業のうち2回課して「アイディア・内容」「構成」「姿勢・ジェスチャー・アイコンタクト」「デリバリー(声量・流暢さ)」「全体的な印象」の5項目で評価を行ったところ,2回目の評価が1回目の評価を上回り授業効果が認められたことを論じた。また,プレゼンテーションの中でもポスターセッションに関して,Rowe (2017) は広範囲にわたる科学・学術分野のポスター発表の実態を概観し,Elwood and Kawano (2018, 2022) は,数理科学専攻大学3年生を対象に,疑似英語ポスター作製と発表指導プログラムを実践している。2015年から2020年まで毎年,年度により人数は異なるが268名から177名を対象に実践し,質問紙調査を行ったところ,記述統計分析ではポスター発表活動が英語学習の動機付けになり,かつ英語プレゼンテーションの演習として効果的であったことが示唆された。これらは大学,あるいは高専の正規カリキュラムでの指導実践であるが,国際学会発表という極めて差し迫ったニーズに対応するプログラムの研究は,筆者らが知る限り公表,あるいは提案されていない。このような実態を受けて,筆者らは所属学部関係者に依頼して,国際学会に論文が採択されている学生でワークショップ参加を希望する学生を募ったところ,3つの学会で発表予定の合計6名が参加を希望した。今回の研究は,情報科学分野の学会という特定の分野における学会参加を対象としていること,参加人数が少ないことと,コロナ禍の影響で参加者の学会参加形態が対面からオンラインへと急遽変更となるなどの事情があったため,参加者の属性や学会発表の文脈を踏まえ,それぞれの事例を精査するケーススタディがふさわしいと判断した。 ワークショップを発表学会ごとに準備,実施をして,国際学会終了後に半構造化インタビューを行い,テキストマイニングとオープンコーディングの2段階分析によりその効果を分析することとした。
関東圏の私立大学理系学部にて2022年8月から11月にかけて試行されたワークショップの企画にあたったのは,学部に所属する英語教員2名と専門科目教員1名,合計3名である。この3名がカリキュラム構築と教材作成,記録を協働して行った。学生参加者は表1の6名であり,それぞれの研究室の指導のもと,海外で行われる,情報科学分野の国際学会に論文が採択されていた。S1,S2,S3は学部4年生であり,カナダでの学会に参加した。S4は学部4年生, S5は修士課程2年目の大学院生であり,イタリアでの学会に参加した。S4は現地に赴き発表しS5は出発直前にコロナ濃厚接触者になったために日本からオンライン参加を行った。そしてS6は修士課程2年生でカナダの学会に参加した。それぞれが採択された論文を口頭発表することになっており,事前準備のためのワークショップ参加を希望した。
参加前にオンラインでアンケートを行い,それまでの学会参加の有無や英語レベル,準備の状況,そしてワークショップに期待することについて尋ねた (付録1) 。その結果,S2はオンライン国際学会参加経験があり,それ以外は国際学会での発表は初めてであった。英語レベルは過去に受験したTOEIC等の結果で以下のように判断された (表1)。母語は全員日本語であり,1か月以上の海外在住経験者はS3のみで,海外で6歳から11歳までを過ごしている。大学の授業以外での英語学習状況としては,S1,S2,S5が個人でTOEIC問題集を行っていた。参加者全員が日本語で論文を執筆し研究発表した経験があった。また,論文執筆から発表までのプロセスとして,英文論文執筆の前に,皆日本語論文を作成し,それを複数の翻訳ソフトを用いて英語に訳し,その後英語校正業者に依頼して修正を加え,完成した英文論文を学会に投稿してアクセプトされていること,そしてその論文を英語で口頭発表することになっている,という流れが明らかになった。
Group | 参加者 | 学年 | 発表形態 | CEFR | 海外滞在経験 | 学会(開催地) | 開催 時期 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | S1 | 4年 | 対面 | A2 | なし | 情報科学系学会A (カナダ) | 2022年8月 |
S2 | 4年 | 対面 | B1 | なし | |||
S3 | 4年 | 対面 | B1 | 小学校海外 (6歳~11歳) |
|||
2 | S4 | 4年 | 対面 | A2 | なし | 情報科学系学会B (イタリア) | 2022年8月 |
S5 | 修士 2年 |
オンライン | B1 | なし | |||
3 | S6 | 修士 2年 |
オンライン | A2 | なし | 情報科学系学会C (カナダ) | 2022年11月 |
本研究のリサーチデザインは図1の通りである。まずニーズアセスメントとして,事前アンケートにより参加者の学会発表経験やプロフィールを尋ねた。続いてワークショップ計画と実施,そして国際学会発後にインタビューを行いワークショップの効果を検証した。
ワークショップでは自作教材を使用した。参加者とワークショップの所要時間に合わせて,内容を若干調整したが,共通して事前配布したのは,発表の始め方,序論,本論,結論の流れに沿って定型表現を示した資料であった (付録2)。たとえば発表の冒頭表現として,自己紹介の方法を示した。所属を言う場合には,聴衆によってどの程度詳しく述べるかなどの細かな注釈も足されている。そしてアウトラインのスライドを示しながら,“Today, I would like to speak about ~ ” と紹介する慣例表現が紹介されている。参加者はこの資料を足掛かりとして,発表の練習をして来ることになっていた。
3.4 目標と内容発表準備特訓コースともいうべきこのワークショップでは,事前アンケートを参考に以下の目標を設定した。
ワークショップは学会開催の約3週間から2週間前にグループごとに人数に応じて1回約2時間から4時間のスケジュールで実施した。その内容としては,以下の3点をカバーした。
Step1: 参加者による発表デモンストレーションまず,参加者が各自で準備したパワーポイントスライドとスクリプトをもとに模擬発表を行った。パワーポイントは採択された論文を基に作成されていたが,参加者によっては15分の発表時間に数十枚のスライドを準備してきており,大幅に時間オーバーした場合もあった。
Step 2: デモンストレーションのフィードバック次に英語教員と専門科目教員がそれぞれの立場から,フィードバックを行った。専門科目教員は,スライドと説明の用語や図表について質問し,たとえばスライドで使用されている語彙選択として不自然な表現や意味の曖昧な語句を指摘した。スライドに書かれた英文について,1文が長すぎたり,受動態の文が散見されたりしたため,読み上げる文をWeで始まる能動態に変えるほうがわかりやすい,箇条書きにすべき,などの指摘をした。日本語を英語に直して不自然になっている場合や,書きことばをそのまま読んでいる場合には,聴衆にとってわかりやすい表現にするように指摘した。スライドや口頭で説明するセリフの文は,in which など関係代名詞や関係副詞を用いて長くするよりは,2文にわけるほうが良いことにも言及された。スライドの背景や色なども,専門科目教員からの,専門的見識と経験に基づくアドバイスがなされた。英語教員は,同様に使用語彙や表現をアドバイスした他,フォントの大きさや種類,背景などについても改善点を指摘した。メリハリをつけるために,重要な点はハイライトしたりフォントを太字にしたり,注目すべき数値や式を赤くマークしたりなどの工夫を提案した。また, 姿勢や表情などの非言語情報や,抑揚や発音,間の取り方にも言及した。わかりやすく伝わる発表を目指して,特にキーワードや,聴き手が興味を持つ結果の部分を読み上げる際には,急がず明瞭に発音するようモデルを示した。
Step 3: Q & Aシミュレーション最後に,発表後の質疑応答のシミュレーションを行った。事前アンケートによると所属研究室にて,想定質問とその解答案を作る準備は行われていることが書かれていたが,実際の発表では予測できない質問やコメントが出る可能性は大きく,質疑応答は学会発表の大きな不安要因のひとつである。そこでワークショップでは,質疑応答の準備方法と,想定外の質問が出て困った際にも切り抜ける対策を扱った。質問の対応策として,a. 質問自体が聞き取れない場合,b. 聞き取れても質問の意味がわからない場合,c. 質問は理解できても答えられない,あるいはわからない場合, d. 質問は理解できたが,即答は避けたい場合などの数種類のパターンを想定し,対処法の紹介をして,簡単なシミュレーションを行った (付録 3)。これらを複数のカメラで録画し,参加者自身による復習用に提供した。
3.5 発表後インタビュー各国際学会の終了後,1週間から10日後に参加者ごとに一人ずつZoomを利用して約30分の半構造化インタビューを行い,口頭発表を振り返りながらワークショップの効果や今後の課題等について日本語で述べてもらった。質問者からは,国際学会の開催された状況,発表の振り返り,学会参加しての気付き,そしてワークショップの効果については最低限,話してもらうように促した。これら以外の点,たとえば研究室やゼミでの準備や,現地でのハプニングに関することなどが回答者から言及された際も,ワークショップを俯瞰的に評価することにつながるため,自由に話してもらった。
その後,録画を書き起こし,KH Coder 3 (樋口, 2020) を用いたテキスト定量分析,及び NVivo 1.7.1を用いてオープンコーディングによる質的分析を行った。このように2方向からのアプローチにより,限られた参加者とデータ量であっても,異なる観点からより深い探究を行うことを目指した。まずKH Coder 3 (https://khcoder.net/) はアンケートやインタビュー,また何らかの言語データを語彙数や共起関係などの観点から分析をする,計量テキスト分析のためのツールである。本研究では,最頻出語の抽出とアイディアの共起ネットワークを調べ,ワークショップの発言内容を使用語彙頻度や表現の観点から客観的に可視可することを試みた。いわばインタビュー回答をことばの単位まで分解し,それを量的に分析することとした。
一方,オープンコーディングはGrounded Theory に基づく質的研究法であり,データの中からコードを帰納的に抽出し,そこからデータの示すパターンや特徴を検出し,コード間の関係性を探る社会学的手法である (木下, 2003)。本研究は,ワークショップ参加者の発言データからボトムアップ的に,国際学会での経験や振り返りが示す何らかの傾向を,体系的に整理して分析することを試みた。6人分のインタビューデータはNVivo 1.7.1 を利用して分析した。このツールでは,文字おこしをした全データを取り込み,発言を1つずつ読み,そこから浮かび上がる概念を抽出したりラベルを貼ったりする。そのラベルをコードと呼び,コードの関係性を探索し,さらに概念化,あるいは図式化する作業を行うことができる。NVivo では文とコードが1対1の関係ではなく,同じ文を複数のコードに紐づけることが可能であり,1つの文を多面的に解釈することとなる。そのため分類化の作業にありがちな,1データをどちらの範疇に帰属させるかで悩む,いわゆる「こうもり問題」を避けることができる。筆者らはまずインタビューデータをコーディングし,コード間の階層と関係性を精査していった。コーディングの際は,一定の視座を持って分析を始めることが推奨されているため (Jackson & Bazeley, 2019),テキストマイニングの結果を参考にして1回目のコーディングを行った。KH Coder 分析で「発表」,「質問」,「スライド」,「研究」といった単語頻度が多く出現していたため (後述4.1 参照),これらを最初のコードとして分析を始めた。
分析途中のインターフェイス例を図2に示すが,回答者の一人S4が学会での質疑応答の振り返りと,座長との意思疎通について話している場面である。図の左側には発言者ごとに,それぞれの発言がそのまま書き起こされている。言いよどんでいる部分も含めて記録されている。中央より右側には書き起こした発言のコードがコードストライプとして表されており,ひととおりコーディングを行った後で,コードを再確認したり,比較や階層化といった作業を行う。これら一連の分析プロセス,すなわちインタビューの実施,録画,書き起こし,そして分析は著者3人でデータを共有しながら行い,解釈についても相互確認を行い研究の信頼性を担保した。
注. この画面のさらに左側に質問者と回答者の個人名や属性が書かれている。
前項に示した流れに沿って筆者らはワークショップを計画,実施し,終了後に事後インタビューを行った。分析は,テキスト定量分析とオープンコーディングの2方向から行っており,より多面的で信頼性のおける方法とすることをねらった。以下にそれぞれの結果を報告し,続けてその考察を述べる。
4.1 テキスト定量分析文字起こしした6名のインタビューデータをKH Coder 3にて分析を行った。まず頻出語調査からは,名詞として頻出順に「発表」「質問」「スライド」「研究」「質疑」が多く出現し,形容動詞は「大丈夫」「不安」「大変」「無事」「コンパクト」が出現し,動詞として「分かる」「言う」「見る」「聞く」「聴く」が頻繁に使われていた (表2)。「聞く」と「聴く」は文字起こしの際に文脈により区別したため,たとえばズームで相手の音声が「聞こえた」場合には「聞く」と集計し,他の発表を「聴いた」時には「聴く」と集計したため,別の単語として認識された。サ変名詞,形容動詞,および動詞の頻出上位15位は表2のとおりである。
順位 | サ変名詞 | 出現回数 | 形容動詞 | 出現回数 | 動詞 | 出現回数 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 発表 | 190 | 大丈夫 | 21 | 分かる | 127 |
2 | 質問 | 100 | 不安 | 10 | 言う | 68 |
3 | スライド | 68 | 大変 | 7 | 見る | 49 |
4 | 研究 | 54 | 無事 | 7 | 聞く | 45 |
5 | 質疑 | 37 | コンパクト | 6 | 聴く | 29 |
6 | 参加 | 32 | 普通 | 6 | 行く | 27 |
7 | 準備 | 30 | 簡単 | 5 | 書く | 26 |
8 | 話 | 24 | 重要 | 5 | 行う | 23 |
9 | 共有 | 20 | 大事 | 5 | 作る | 22 |
10 | 説明 | 20 | あいまい | 4 | 来る | 22 |
11 | 練習 | 19 | いろいろ | 4 | 話す | 21 |
12 | 応答 | 18 | 残念 | 4 | 使う | 20 |
13 | 想定 | 18 | 単純 | 4 | 考える | 18 |
14 | 緊張 | 15 | 必要 | 4 | 終わる | 18 |
15 | コメント | 13 | 完璧 | 3 | 覚える | 17 |
これらの頻出単語をコンコーダンスで確認したところ,参加者の意識として,意思の疎通に関する言及,すなわち自分の発表が通じたか,座長や質問者とのコミュニケーションがとれたか否かについての発言が多かった。以下が回答の中の文例で,下線部が抽出された頻出語である。
発表はうまく読めてだいたい通じた。
日本語を英語に訳しただけで分かりづらい文だったのが,アドバイスいただいてよかった。
難しい単語や苦手な単語はスライドにハイライトして言う時,気をつけた。
質疑応答は,質問された意味は分かった。
しかしオンライン発表,あるいはハイブリッド発表ならではのトラブルに見舞われた例も散見された。
ハイブリッドのため機器トラブルがあり大変だった。
座長さんはオンライン参加だったので音声チェックも直前になった。
質疑応答では質問が,最初何といっているか全く分からなかった。
ハイブリッドの発表だったため,視線をどこに置くか,抑揚はどこにおくか迷った。
また,ワークショップの効果については,語句の正確な使い方やスライド中の図表の明確化などが役にたったことが言及され,自作教材についても参考になったようだ。
発表で使われる言い方を知らなかったので,事前に資料を何回も見直した。
参加前は,発表は “Hi, my name is~” で始めるぐらいしか知らなかった。
困った時の対応表現や場つなぎ言葉がとても助かった。
プレゼンの修正は大変役に立って, 無事に発表できた。
論文をどの程度コンパクトにスライドにまとめるか分かった。
次に共起ネットワーク分析を行ったところ, 関連のある語句として「ワークショップ―スライド―発表」「質問―質疑応答―対応」「現地―トラブル―Zoom―不安―大変」「内容の理解―話す―聴く―考える」という4つの大きなクラスターが見られた (図3)。これに次いで,「座長―現地―ワークショップ」「メモ―研究」「画面―共有」というクラスターが認められた。また学会のオンライン開催という形態の影響についても言及がなされていた。これらの結果から,インタビューでの参加者の発言が,他者との意思疎通や質疑応答,現地でのトラブル,ワークショップの効果に関連していることが明らかとなった。この4つのテーマには頻出語との重なりが見られており, テキストマイニング結果からの,注目すべき観点としてさらに発言データを質的に精査していくこととした。
最初,参加者のすべての発言にコードを付与していった。例として,S1がワークショップの効果について振り返っている以下の発言をコーディングした手順を示す。
日本語のスライドだと,例えば単語だけを箇条書きにしている部分とかがあったんですけれども,そもそも僕の知識として,英語では箇条書きはどうやってまとめるんだろう,あと,文章じゃなくて単語として書いてよいのか迷っていました。ワークショップで訂 正してもらってやり方がわかりました。
この発言部分は,最初に,スライド,事前準備,ワークショップという3つのコードを付与した。このようにして,まず全データのコーディングを行っていった。2回目に再度,データと初回のコードを精査して,コード間の関係性に着目して上位コードと下位のコードに階層化を行っていったり,コード名を微調整したりした。その結果,上記の例はスライドの作り方,ワークショップの有効性―役立った点,そして事前準備―日本語と英語の違いというコードに帰属させた。このように分析を行っていった結果,インタビューデータ全体を,ワークショップの有効性,国際学会属性,事前準備,質疑応答,振り返りという5つの上位テーマに集約することができた (表3)。以下に,これらの上位コードについて,発言内容を精査しながらそこから浮かび上がる特徴を論じる。
4.2.1 ワークショップの有効性ワークショップの有効性については一定の評価をする発言が見られた。「発表スライドや内容にアドバイスもらったのがとても良く (S1)」,発表を始める際の切り出し方など,ワークショップで慣用表現を習って役に立ったことが述べられた。S2は,日本語をそのまま直訳したために英語では不自然な文章になっていたので,「そこに英語的な感覚で意見していただいたのはありがたかった」とコメントした。また,「自分はこの研究を良く理解しているが,知らない人からの,こういう点がわからない,というところを知ることができた」という発言もあった。これはつまり自分の研究を俯瞰することができた,ということを意味する。直前ワークショップを受講したことで,「何も言えなくてパニックに陥ることは避けることができた (S2)」,との感想もきかれた。スライドのフォントの大きさや種類,背景の色についての指摘も役立っていた。口頭表現における非言語情報 (抑揚,アイコンタクト) 改善などの点で効果があったことも指摘された。
課題として,時間が不足していたので,「発表の全体的な流れを見ていただけたらもっとよかったのかもしれない (S1)」というコメントや,研究室の教員の指導との齟齬があった点が挙げられた。ワークショップで,「ここはこういう簡単な単語に直したほうがいいと言われたところも,研究室の先生にはそのままにするよう言われたので迷った (S4)」との指摘もあった。参加者にはもしワークショップと指導教員が異なるアドバイスをした場合には,指導教員を優先するように,と述べていたが,その点,混乱があったようだ。
このように,今後の課題が明らかになったものの,英語での発表の基礎的な表現や発表時の振る舞いなどを学んだことは,学生のニーズに応えた支援を行うという意味では有効と言えるのではないか。
4.2.2 国際学会属性コロナ禍の影響で,オンラインやハイブリッドという学会の開催形態によってそれまでは予想しなかった影響が見られた。良い影響としては,何よりもオンライン発表が可能であったためにコロナの濃厚接触者でも発表を行うことができて,緊張せずに発表できた (S5) という点であろう。また,ズームや事前録画の発表の場合,メモを手元においてそれを見ながら発表を行うことが可能であり (S6),あまり緊張しないで発表できたようだ。
その反面,オンライン,あるいはハイブリッド,ハイフレックスという形態は,それまでにはなかった困難をもたらした。例えば一部の学会で,対面開催・対面参加を予定していても,発表の1か月ほど前には発表録画の提出を求められるものがあり,準備段階での負担となったようだ。また,発表の際に通信障害によるトラブルがあり英語で交渉しなければならない事態が報告された。「現地に行ってみたら事前提出の録画を流されただけで終わろうとした」(S4),あるいは「自分はオンライン発表の枠になっていて対面の会場が無かった」(S6) という混乱が報告された。オンライン参加している座長や他の参加者との意思疎通がうまくいかなかったり,質疑応答でも相手の反応が読めないという事態があった。焦って「聞こえてますか」「(画面が)見えてますか」という簡単な言葉すら出てこずに困ったとのコメントがあった。
このようなトラブル対応は予想することが難しく,しかもそれを第2言語で行うことは至難の業であるが,国際学会では起こりうることである。事前ワークショップでは,トラブル前例を紹介するなどして,心配をやわらげることが期待される。
4.2.3 事前準備-理系分野ならではの傾向既に論文は採択されているので,それをスライドにどのように表現するかが大きな課題であることがわかった。S1はスライド作成に時間をかけた。動画やデータの提示に工夫をし,会場でも動作チェックを行った。英語が不安なためにスライドで分かってもらおうとしたと述べている。S2は日本語のスライドを英語に直すのに手間取っており,どの程度英文を省略できるのか迷った。台本作りは自分で英訳したものをDeepLやGoogle Translateなどで直した。機械翻訳は,参加者6名全員が使用しており,それぞれが複数の機械翻訳で正確に英訳できているか確認していた。S6は,「記号や図表を用いて内容を表そうと試みたが,どの程度キャプションをつけたら良いかなどわからず,図表の意味が的確に説明できたか自信がない」と述べた。「日本語だと何となく言えたりスライドに書けたりすることが,英語だと何を強調して何を省略して良いのかわからない」と加えた。また,S2とS4は発音や抑揚を,同じ研究室に所属し海外在住歴を持つ,英語が堪能な学生に直してもらい,「暗記するぐらい台本を繰り返して読む練習をした」とのことであった。
このことから,ワークショップにおいて正確,かつ効果的なスライドを作る方法をワークショップに取り入れる必要が浮かび上がった。専門用語を含む語彙選択やスライドの英語を添削するためには,英語教員と専門科目教員双方からのインプットが望まれる。同じ語彙でも専門分野によって意味や使い方が異なるからである。
また,英語のプレゼンテーションを扱う授業では,一般的に英語教員は,学習者がスクリプトを読み上げたり暗記したりするのではなく,自分のことばで聴衆の反応を見ながら発表することを推奨するが,本研究の分野では,読み上げる文を用意して,言いたいことを正確に伝えることが重視されていることが明らかとなった。英語教員としては,このような傾向に配慮して,スクリプトの作り方や読み上げ方を含めたアドバイスをする必要があるかもしれない。
4.2.4 質疑応答質疑応答に関しては参加者全員が異口同音に,難しかったことを述べた。事前に想定質問とその回答を準備して行ったため,その範囲内の質問には対応できたが,予想外の質問やコメントが出されて見当違いの応答をして,「後になって言いたいことが湧いてきて残念な思い」をしていた様子がうかがわれた。S2は,他の日本人参加者から英語で質問されて,「何とか答えたものの,後になってもっとうまく答えることができたはず」と悔しがっていた。S3は,「この単語,この意味がわからないということをとっさに言えず」,質問の内容を確認する言い返しの練習が足りなかったことを後悔していた。S4は,座長さんが親切にコメントや質問をしてくれたので助かったが,それでも質問内容を理解しているとはいえず,「何となくそれっぽいことを答えて」終わったと述べた。S5は,質疑応答の時間では,「質問者がコメントをする時間が長く,自分が話したのは1分にもなかった」と述べた。また,S6は質問が半分もききとれず戸惑っていたら相手がかみ砕いて質問してくれたが,文法が支離滅裂の回答になったことを話した。
質疑応答の対応は,まず第1段階としてリスニング能力が求められ,それを理解して答えを構築して,外国語で返答しなければならないため,認知的負荷も高く,一朝一夕で改善できることではない。また内容と文法事項はトレードオフ現象が起こることがあり,外国語で話す際には内容に集中していると文法を考える余裕はなくなってしまうことがある。しかし,S2が述べているように,後になって答を思いついたということは,上達の第一歩と言える。また悔しい思いをしたということは,今後の英語学習へのモチベーションにつながることが期待される。
4.2.5 振り返り―英語学習の展望とモチベーション参加者は,概して国際学会発表を無事に終えたことに安堵を覚えており,一定の成就感を得たようであった。特に予定したスクリプトの読み上げ方については,他の日本人学会参加者から発音や抑揚を褒められたという学生もおり,準備の成果が発揮されたと言えよう。そして国際学会発表には,口頭発表のみならず,学会主催者や他の参加者とのコミュニケーションがとれることも重要な要素であることが示唆された。S3は,他者との交流で,発表したこと以外にも自分の研究や興味についてもっと自由にディスカッションをする能力をつけたいという気づきを述べた。S1は,海外発表の経験が,普段のリスニングやスピーキング能力を向上させたいという将来への英語学習への動機となっていることを示した。大学院に進学するので次の発表はもっと上手にやりたいというコメントや,もっと場数を踏みたいという意欲もみえた。また,学会発表の合間に現地を観光した際にトラブルがあったが,英語で何とか乗り切ることができて,そのような体験が自信につながったようだ。買い物や食事の際にフレンドリーな応対を受けて,日本との文化の違いに気づいたというコメントもあった (S4)。これらのことから国際学会で発表した経験が,今後の英語学習への意欲や異文化に対する気づきに繋がっていることが明らかになった。
本研究では国際学会発表のための直前準備ワークショップを設計して試行した実践を報告し,その分析結果を報告した。ここでワークショップの目的4点それぞれが到達されたと言えるのか,論じていきたい。まず,「1. 発表スライドを効果的に作る」という目的は,ワークショップ参加者が,基本的なスキルとして,例えばスライドのフォント,英文,背景のデザインや配色を工夫することができたという点で,達成されたと言えよう。一方,既に書かれた論文をどのようにスライドで説明するか,画像や図表をどう使うか,結果をどのように見せるかなど,内容に踏み込んでスライドを作りこむところまでは,時間の制約もあり達成できなかった。アドバイスする英語教員の立場からは,自分の専門分野とは異なる内容のスライドを1枚ずつチェックしてフィードバックをするのは,かなりの時間と労力を要する作業であった。今後はスライド作成とチェックにあたり,一定のガイドラインやチェックリストの導入が望まれる。そうすれば発表者がそれらを使って,自分のスライドを編集し,あるいは研究室の仲間同士でのチェックが可能となる。
次に「2. 自信を持って発表する準備をする」ことは達成できたのではないか。参加者はこのワークショップで指摘されたことをもとに,その後発表直前までスライドや発表スクリプトを修正し,繰り返し練習を行った。自分のみで練習するのではなく,専門科目教員,および英語教員からのアドバイスを受けて練習をしたことは,落ち着いて本番で発表することにつながったのではないか。また,このワークショップが少なくとも自分の発表や研究を他者,あるいは聴衆の視点から見るきっかけになったことが示唆された。ワークショップ録画の視聴も,自分の発表態度を客観的に見ることになり,より効率的に発表準備ができたものと思われる。
「3. Q and A を乗り切る準備をする。」という目標は,あまり達成されなかったかもしれない。これは準備の時間が足りないことに起因すると思われる。簡単なシミュレーションは行ったものの,具体的に異なるパターンで展開する質疑応答の時間はほとんど確保できなかった。また,Q and A の時間に,質問なのかコメントなのか区別できないために返答できなかったという事例があり,質疑応答の語用論的な観点も取り入れた演習が必要と言える。たとえば,英語の授業では教師は学習者に対して何か質問する際には,極めて直接的な表現法を用いる。たとえば “Why did you come here?” と尋ねることはあっても,“I wonder what brought you here.” とは言わないであろう。学会発表や公式な場では,独特の丁寧な尋ね方と答え方が用いられる。大学生,あるいは大学院生にとって馴染みのない表現を提示し,その上でリスニングやスピーキングの練習を取り入れることが望まれる。
最後の「4. その他,Small Talk や他の出席者との交流の準備をする」ことも,今後の課題と言える。Small Talk は一見簡単に見えても難しい。会話の背景にある文化や前提となる知識や,慣用表現を知っていなければ,話についていくことは難しい。また,学会開催時に話題となっている社会情勢や時事問題についての造詣も必要で,それを英語で語ることができなければならない。今後のワークショップでは,学会発表で出会った人々に,せめて自分の研究や普段の勉学などについて,わかりやすく説明できるように準備するという演習を取り入れて行きたい。
この研究は情報科学分野の小規模な実践例であるが,「英語での国際学会発表を成功させる」という差し迫ったニーズを反映する支援を行った点,そして専門分野での国際学会発表という,教育現場の外の,真正の実体験に基づく当事者の発言データを得たという点で,ESPプログラム研究の新しい方向性を示すことを目指した。それには,専門科目教員と英語教員の協力が不可欠であった。
今後は学会会場でのコミュニケーション活動を想定した演習を,更に充実させることが課題である。もっとも海外の国際学会で起こりがちなトラブルに咄嗟に対応するスキルは短時間で身につくものではなく,場数を踏んで向上させていくものである。事前ワークショップとして今回の試行で明らかとなった課題を修復し,汎用性のある英語発表準備サポート体制の完成に繋げたい。ワークショップ開発研究としては,今回のケーススタディは小規模で単発的なものであったため,対象学部や参加人数を増やしながら汎用性を高めていきたい。また,ワークショップ実施には,個別対応が求められたために教員の負担も多かったが,今後はピアレビューやチェックリストなどを構築するなどの手法を取り入れて,よりサステナブルな,多人数の参加者にも応用できるプロトタイプの可能性を検討したい。
本研究は第16回JACET関東支部大会 (2023年7月8日開催) にて口頭発表した研究に基づくものである。また,JSPS科研費 20K00816の助成を受けている。本稿完成まで有益な助言をくださった2名の匿名査読者の先生方に御礼を申し上げたい。
<英語力や英語学習歴について>
<海外経験,学会発表経験について>
<今回のワークショップに期待することについて>
Presentation 発表時に使う表現
Let’s examine exactly what you could say in the various parts of your speech.
The Introduction (your title slide)
“Good morning. My name is _______, and I am a student at X University in the Faculty of Y. Today I would like to speak about ________.”
Comment: Of course, the details of your affiliation will depend on your audience. If you are speaking in our class, you would not need “in the Faculty …” If you are speaking at a conference abroad, however, you would certainly include that.
共同発表者(coauthor)がいる場合,チームメンバーを紹介します。
Table of Contents (cleverly, the table of contents slide).
“Here we see the contents of my/our presentation today.” (pause)
“Today I/we will be speaking about the following things.” (pause)
Comment: When you show the contents, pause to let your audience read. You, however, SHOULD NOT READ your slide!
Section 1“I would first like to speak about …”
“The first thing I would like to speak about is …”
Section 2“I would next like to speak about …”
“The second thing I would like to speak about is …”
“Having spoken about [Section 1], next I would like to speak about [2].”
“Having spoken about [Section 1], next I would like to turn to [2].”
Comment: The “Having spoken …” phrase is very good.
Section 3 The same phrases as for Section 2Conclusion
“In conclusion, today I/we have spoken about …”
“This will conclude my/our presentation.”
“Thank you for your kind attention.”
付録 3 Worksheet: How to Survive Q and A 2022 Workshop for STEM Students Preparing for International Conferences発表後の質疑応答Q and A は, 第1言語(日本語)でもうまく受け応えるのは難しいもので,ましてや第2言語 (英語) で行うとなると不安はさらに増します。しかし入念な準備によってその不安度を軽くすることができます。ここではそのノウハウを学びましょう。
I. 質問に用いられる英語表現発表後,質問者は次の流れで質問やコメントをすることが一般的です。
このように,質問の前に挨拶や感想などが述べられることが多いので,落ち着いて聴きましょう。英語のリスニングの一般的なコツにもなりますが,全部をききとる必要はなく,大事なところ,つまり何をきかれているかというポイントに集中してききましょう。疑問文だけではなく間接疑問文を使った丁寧な依頼表現 “I was wondering what would happen if you applied … ” なども使われます。
また,一度に2つ質問をきかれることもあります。“I have two questions. First, ….. Second,…..” などと続くわけです。適宜,メモをとりながら聞きましょう。
学会発表で質問されることは,ある程度予想することができます。同じ分野に興味がある研究者が集まるので,当然,発表の内容に関した質問が出ます。
すらすらと答えることができれば良いのですが,難しい質問をされたり,そもそも質問されていることがわからない場合もあります。どう切り抜けるか以下にケース別で考えてみましょう。