コミュニティ政策
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自由投稿論文
コミュニティにおける主体形成に関する一考察
谷口 功
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2004 年 2 巻 p. 173-189

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抄録
NPOは、地域社会が直面する高齢者・障害者介護、リサイクル、防災・防犯対策、環境保全、外国人の雇用定住対策など地域生活の様々な領域において、専門性を活かした実践を展開している。そして、こうしたNPOと町内会や自治会に代表される地域住民組織が連携し、コミュニティ形成を目指す様子が各地で見られるようになってきた。事実、コミュニティ政策学会・研究フォーラムの設立以来、主体間の連携の問題は、コミュニティ政策をめぐるテーマの一つとして取り上げられている。
コミュニティの形成あるいは再生過程において、NPOが主体としてどのような役割を担いうるのかを継続的に捉える必要がある。本稿では、その前提として、NPOが主体的力量を形成していく社会的背景を問うていく。コミュニティの担い手として制度的狽J面からと、担い手自身の内的動機によって、主体的力量を高められようとしており、そこでは、複数の主体間の連携も課題となる。さらに、NPOや地域住民組織といった集団を構成する個人の主体性の獲得についての議論を深化させることは、各種団体が抱える担い手育成の問題を政策として論じていく手がかりにもなる。
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