抄録
本稿はコミュニティ政策学への一つのアプローチとして、地域福祉計画策定の視点と方法を提起しようとする。まず地域福祉研究の視点として地域福祉の対象課題の構造的把握と住民主体・公民パートナーシップによる福祉のまちづくりの展開視点を指摘する。ついで今日、政策的に重視され、法制的位置づけをもつ地域福祉推進のポイントと文脈を検討する。そして地域福祉計画をめぐって、その特質とタイプ、公民協働志向の計画策定の意義と枠組みを確認する。本稿の力点は計画策定体制と手法であり、プロセス・ゴールを基軸として、福祉のまちづくりに向けて(1) 住民・職員のまきこみ、(2) 地域福祉課題の明確化・共有、(3) 課題取り組みへの公民協働・役割分担の論議・合意形成、(4) 主体形成と活動おこし、以上4つのプロセスを統合的に追求すべきことを強調する。そのなかで地域の特性と住民の生活実態をリアルに捉える地域福祉調査の重要性を論じた上で、計画化の段階について阪南市の公民協働計画モデルを例に、その計画構成、策定過程、成果と課題を検証する。最後に計画策定にみられる問題傾向に言及する。