日本原子力学会誌
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0.1M ジメチル-ベンジル-フェニルアンモニウム塩化物-塩酸系における諸元素の行動
上野 馨張 昭鼎
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1961 年 3 巻 10 号 p. 757-762

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抄録

ジメチル-ベンジル-フェニルアンモニウム塩化物の0.1Mクロロホルム溶液と塩酸の系における,ナトリウムよりネプツニウムに至る約60種の元素の行動を輸入またはJRR-1で照射して作った放射性核種を用いて調べた。水溶液の塩酸の濃度は0.5, 1, 2, 4, 6, 8, 10および12Nの8点をとり,これに対する有機相との間の分配比を求めた。分配比の測定に用いた放射性核種の原子価は明瞭でないものもあるが,最も普通の化学形を選んだ。酸の濃度に対する分配比は各元素により異なるが,周期律表の族についてはかなりの規則性がみられた。 Fe (III)では特に鉄の量の変化による分配比の変化を調べた。これらの結果より数種の元素の相互分離に適した酸の濃度が求められた。
この系で求められた結果を塩酸-陰イオン交換樹脂系や,チオシアン酸-トリエチル-ベンジルアンモニウム塩化物系と比較しかなりの類似点を見出したが,一般にこの系では分配比が小さいことがわかった。

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