日本原子力学会誌
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医療用重粒子加速器の現状
河内 清光
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1996 年 38 巻 8 号 p. 650-657

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抄録

放射線治療は,がん治療にとって極めて有効な手段で,治療後の患者のQuality of Life (QOL)を考えれば,これに優るものはない。最近では,さらに治癒率の向上と,治癒の質の向上を目指して陽子線を含む重荷電粒子線治療に大きな関心が寄せられ,世界中でこの治療を受けた患者数は2万人を超えている。
放射線医学総合研究所では,重イオン治療の臨床試行を開始し,その成果も徐々に公開されるとともに,臨床試行の経験も踏まえて,装置や治療技術の高度化も着々と進めている。一方,国内外において,陽子線や重イオンの医療装置の建設や開発計画が進められており,それらの現状を紹介する。

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