抄録
JCO臨界事故の発生から早くも1年が経過しようとしているが,この事故が与えた衝撃は原子力界全体を揺るがす大きなものであった。日本原子力学会においても,愛媛大学での「2000年春の年会」では多くの専門分野から多角的かつ熱心な討議がなされ,「原子力安全」調査専門委員会や各部会においても学会員の所属を超えた協力関係により,事故の経緯,原因および今後の対応についての解明や模索が続けられた。本「特集」では,これらの努力に基づいた現状での取りまとめを示すとともに,法律,保険など原子力分野以外の方にもご執筆いただき,JCO事故を教訓とした安全性研究への今後の取組みの方向性を考える上での一助となればと願う次第である。