抄録
N-メチルグルカミン樹脂にGeが選択的に吸着されることを利用し, ポリエステル製造プラントから留去されたエチレングリコール (EG) 溶液からのGeの分離を検討した。EG留出液の粘度が高い (10.7 cSt, 25℃) ためにGeの吸着速度は遅いが, 吸着平衡時のGe吸着量は水溶液の場合とほぼ同程度であった。カラム法によるEG留出液からのGeの分離を検討したところ, 通液速度SV2h-1で樹脂体積の約22倍までEG留出液の吸着処理が出来ることが認められた。吸着されたGeは希塩酸で容易に溶離でき, 引き続き水酸化ナトリウム溶液で遊離形にすることにより, Ge吸着能を低下させることなく樹脂カラムは少なくとも10回は繰り返し使用が可能であった。