中央海嶺下などでの湧昇マントルが、部分溶融に伴ってどのような電気伝導度変化と粘性率変化を示すのかを明らかにするため、合成レールゾライトの高温高圧下での物性を測定した。レールゾライトは、Mg(OH)2、SiO2、CaCO3、MgAl2O4の粒子サイズ50 nm未満の粉末から、フォルステライト80%+エンスタタイト10%+ダイオプサイド10%と、フォルステライト50%+エンスタタイト40%+ダイオプサイ10%の組成に、それぞれ0%、 0.5%、1.5%の量のスピネルを添加したものを作製した。ソリダス以下では、伝導度と粘性率はアレニウスプロット上線形にプロットされ、それぞれ~180kJ/molと~700kJ/molの活性化エネルギーをもつ。ソリダス以上では、伝導度と粘性率は温度上昇に伴うより急激な変化を示す。この伝導度増加と粘性率低下は、メルト分率の増加と関係していると考えられる。