最近、オリビンの平衡形が第一原理計算により求められた。オリビン表面への分子吸着には異方性があり、星間空間での水素分子生成や、地球の水の起源の議論において結晶形状を理解することは重要である。 平衡コンドライト中のオリビンに存在する数μmの負晶は、熱変成により平衡形あるいはそれに近い形状をもつことが期待される。そこで、本研究では、LL5-6コンドライト中のオリビンに含まれる負晶の形状をX線マイクロCTにより定量的に明らかにし、第一原理計算結果と比較した。その結果、Tuxuac隕石では複数の負晶の形状が類似していおり平衡形に近い形状を示している可能性が高い。また、表面エネルギーの高いと考えられる(100)面が最もよく発達していた。Kilabo, Y-75258, Y793214隕石についても、今後解析をおこないその成果について述べる。