本研究では、始原的エコンドライトNWA 6112を対象に鉱物学的視点から観察・分析を行なった.その結果,NWA 6112は、MIL 090340/090206やBrachiniteによく似た構成鉱物や鉱物組成,岩石組織を持つことがわかった.NWA 6112の形成過程について考察を行い,均質なカンラン石結晶の粒間や縁,割れ目がメルトと反応を起こして細粒の斜方輝石などが形成していることや斜長石や単斜輝石 がBrachiniteと比べてやや多く含まれていることから,部分溶融度の低い残渣ではないかと考えられる.