日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2015年年会
セッションID: R5-16
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R5:地球外物質
火星隕石中黒色カンラン石の高圧相転移
*竹之内 惇志三河内 岳山口 亮
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抄録
火星隕石中のカンラン石は強い衝撃により黒色化すると言われているが、その詳細な着色過程や条件は不明な点が多い。これまでの我々の研究ではカンラン石の黒色化は高圧相転移に伴い引き起こされるという証拠が得られてきた。今回の顕微ラマンによる分析ではTissint隕石中カンラン石のわずかに着色した領域に見られるラメラ組織と他の強い衝撃を受けた火星隕石中の黒色カンラン石において、ラマンシフトの650 ~ 680cm-1に普通のカンラン石には見られないピークが見られた。それらはカンラン石高圧相や高圧相から低圧相へ戻る際に見られるピークであり、黒色カンラン石が高圧相転移を経験していることを示唆している。黒色カンラン石を含む火星隕石は高圧鉱物をあまり含まないが、一度は隕石全体として高圧相転移をするような温度圧力条件を経験している可能性があり、高圧鉱物は減圧後の高温により低圧相に戻ってしまったと考えられる。
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