日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2015年年会
セッションID: R8-04
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R8:変成岩とテクトニクス
マントルウェッジ対流層由来の造山型かんらん岩 に記録されたメルト組成復元
*苗村 康輔平島 崇男河上 哲生清水 以知子
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抄録

大陸衝突帯の造山型かんらん岩に含まれる含水鉱物および多相固体包有物の観察に基づき、マントル対流層に存在するメルトの化学的特徴を明らかにする。バリスカン造山帯に産するチェコ共和国・南ボヘミアの造山型かんらん岩はコーナー対流運動で実現可能な温度圧力履歴を記録し、マントルウェッジ対流層由来と考えられている。本研究ではマントルウェッジ対流層に存在したメルト化学組成を復元するために、初期のザクロ石かんらん岩ステージで安定な超高圧クロマイト中の多相固体包有物を詳細に観察した。多相固体包有物は、金雲母、燐灰石、カーボネートで構成され、メルト組成はドロマイト質カーボナタイトだと判明した。このメルトの微量元素組成の復元を行った。メルトの微量元素はBa, LREE, Srに富み、U、Th、Pb、HFSE、HREEに欠乏し、アセノスフェア条件で始原的マントルと共存したカーボナタイトメルトの特徴と一致する。

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© 2015 日本鉱物科学会
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