日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2015年年会
セッションID: R8-P05
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R8:変成岩とテクトニクス
日高変成帯南部泥質岩中のザクロ石とその包有物:変成岩熱史の空間変化への制約
*坂田 龍玄小澤 一仁
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抄録

本研究は日高変成帯南部を対象とし,変成作用時の温度構造の時間変化を把握し,マントルから地殻への熱輸送機構の解明を目指している.日高変成帯内で最も高温を経験した橄欖岩体が分布する日高変成帯南部のニカンベツ川沿いルートで,地殻浅部まで上昇した高温マントル物質による加熱を示唆する高い地温勾配を見出した.この加熱イベントに伴って形成されたザクロ石の微細組織は,多様かつ系統的な空間変化を示す鉱物・流体包有物で特徴づけられる.これらはザクロ石の核形成・成長過程の空間変化を示唆し,ザクロ石の粒径分布とザクロ石の化学組成から見積もった温度条件と合わせ,西側ではより低下飽和度で成長する高温、東側では高過飽和度を維持し界面エネルギーで駆動される結晶成長も抑制される低温の変成温度履歴を辿ったと推察される.

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© 2015 日本鉱物科学会
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