東平変斑れい岩体は大小のエクロジャイト岩体で, 透輝石角閃岩(T-Ⅰタイプ)とざくろ石緑れん石角閃岩(T-Ⅱタイプ)に区分される二種の岩相からなる複合岩体である.ざくろ石緑れん石角閃岩の主成分鉱物はざくろ石,角閃石(チェルマーク閃石,パーガス閃石,マグネシオホルンブレンド),緑れん石.副成分鉱物はパラゴナイト,斜長石(An14-20),石英.微量成分鉱物はチタン石,緑泥石,ルチル,赤鉄鉱,方解石である. ざくろ石緑れん石角閃岩は粗粒(径約7cm)と細粒(径約2mm前後)の2種のざくろ石を含んでいる.粗粒のざくろ石全体の組成は細粒ざくろ石の核部の組成に類似しており,この部分は同時期にできたと考えられる.