抄録
側枝間隔が約500 nmの斜長石の樹枝状石基結晶および最大10 μmに満たない輝石,Fe-Ti酸化物の石基結晶をSPring-8のBL47XUにて,放射光を用いたX線m-CTによる三次元観察を行った.サンプルは,霧島火山群新燃岳2011年噴火の2月1日のブルカノ式噴火の際に飛散した火山弾がつくった,火口から約3kmの地点の直径8mのクレーターで採集した火山弾の溶岩片を用いた.FE-SEM観察による二次元断面では方形に見えていた結晶も,3次元的には複雑な形態をしていることが明らかになった.火道上昇中に結晶成長した石基結晶が,火口から放出後も高温を保たれていたマグマの中で結晶成長していたと考えられる.