日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2016年年会
セッションID: R5-01
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R5:地球外物質
地球外物質の特徴:水・流体・生命問題の実験・モデル
*三浦 保範
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抄録


地球惑星は、創成期の固化物から大気・海水圏を形成し鉱物結晶を生成している。本件では、水流体と生命問題を隕石の水発生実験から議論して地球外水・生命体を議論するのが目的である。地球生成物は、揮発性元素を大気・海水層に放出してできた鉱物結晶に変化している。地球外天体は、地球創世期に太陽恒星や宇宙間照射された軽元素イオン等を介在した複雑な固化物のままで、地球的な固化物ではない。アレンデ炭素質隕石を少量分離して、水分離試験管で加熱して、放冷後水分子を生成する事ができた。これは、隕石内に分離していた分子構成イオンが蒸発し、放冷時に水分子が二次的にできたことを示す。生命体の主要構成物の炭素化合物は、水と炭酸ガスの極限実験で有機物の巨大分子を形成し、加水分解で無機の水・ガスに変化し消滅する。鉱物が置換した化石固体が残物である。大気水圏のない地球外天体は炭素生命体の出発分解物の場がない。以上から、地球外の固体は分離が不十分なため、分子(水・流体)は加熱後の二次的生成物である。地球の炭素生命体は、反応の供給物と破壊放出場となる大気・海水圏が存在するので、地球外生命活動に必要な事である。
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