日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2016年年会
セッションID: R8-P04
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R8:変成岩とテクトニクス
カレドニア造山帯トロムセ・ナップに産する正片麻岩中のざくろ石形成過程の考察
*門田 康弘平島 崇男
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抄録

トロムセ・ナップに産する正片麻岩の主要構成鉱物はざくろ石、白雲母、斜長石、石英である。ざくろ石は自形性がよく数十μmから1mm程度で、組成累帯構造が認められる;(1) Caに乏しくYに富み、包有物を多数含むコア、(2) CaとYに乏しく包有物をほとんど含まないリム、(3) Caに富みYに乏しい外部リム。コアの包有物は石英、白雲母、ジルコン、ルチルと稀に藍晶石が認められる。X線マッピング像によるCaやYの不連続面をコア‐リム境界と考えた。また不連続面の輪郭は丸みを帯びており、コア形成後にざくろ石が一旦溶融し、その後に再成長した可能性を示唆している。斜長石はCaに富むコアとCaに乏しいリムからなる。斜長石のリムはザクロ石の外部リムへのCaの供給源とみなすことができる。ざくろ石の形成過程について発表を行う。

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