日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2017年年会
セッションID: R7-P01
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R7:岩石・鉱物・鉱床一般(資源地質学会共催セッション)
秋田県小安峡における熱水変質による元素の挙動解析
*池田 杏香宮本 知治石橋 純一郎堤 映日山﨑 由貴子
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キーワード: 熱水変質, 元素挙動
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抄録
熱水変質作用における物質移動量を見積もることは鉱床探査において重要視されている。そこで本研究では地表から熱水が噴出している小安峡において熱水変質における元素挙動を解明し、岩石の変質過程を解析する。岩石・鉱物試料は熱水噴出孔からの距離を計測しながら採取し、主要元素・微量元素含有量を測定した。 Isocon解析の結果、熱水近傍ではNa、Si濃度が高く、Mg、Ca、Sr、Rb濃度が低かった。また噴出孔から距離が遠くなるとNa、Siが急激に減少し、Mg、Caが増加した。熱水近傍試料中の黒く農集した部分ではNi、Cr、Znなど金属元素の濃度が高かった。熱水近傍においてSi、Na濃度が高いことから、これらが流体から付加されたことが示唆される。原岩中の斜長石が分解することで熱水近傍ではCa、Rb、Srが減少し、斜長石が分解することでMgが減少した。また熱水近傍では硫化鉱物が生成することで金属元素が増加したと考えられる。
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© 2017 日本鉱物科学会
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