日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2017年年会
セッションID: S2-P01
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S2:岩石—水相互作用(スペシャルセッション)
C 存在下でのH2O-CO2熱水流体へのfayaliteの溶解反応による表面組織形成過程
*矢野 実磯部 博志
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抄録
olivineは熱水流体に対し高い反応性を示す。特にfayaliteは酸化還元条件に規定される鉄の挙動と熱水条件におけるSiの挙動によって多様な溶解/溶脱組織を示す。C及びCO2が存在する硫酸酸性熱水条件下でfayaliteが溶解する際に粒子表面に形成される組織と, その形成条件を解明することを目的とする実験を行った。
fayalite粒子は表面から概ね粒子の形状に沿った反応層/不均質な溶脱層を形成していた。反応層では,fayaliteの結晶方位に依存していると思われる繊維状の構造が観察された。この組織を示す部分には,出発物質と同程度のMnを含む部分とMnをほとんど含まないFeに富んだ組成の部分が存在する。pH1の硫酸酸性溶液を用いた実験では, 特徴的な生成物としてgoethiteであると考えられる針状のFe-oxide微粒子が生成された。硫酸に富むpH1の条件では, graphiteが存在していてもgoethiteが形成されるが, それ以外の条件では表面層の形成過程においてFe2+の酸化が妨げられていると考えられる。
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