日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2017年年会
セッションID: R1-P11
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R1:鉱物記載・分析評価
熊本県宇城市松橋町の“竹葉石”中の蛇紋石
*平川 真実上原 誠一郎
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抄録

熊本県宇城市松橋町は肥後変成帯に属し,本地域の肥後変成岩類中には,古くから“竹葉石”と呼ばれる超塩基性岩が分布することが知られている。竹葉石では,竹葉状に伸長したかんらん石が微細な磁鉄鉱を含んだ蛇紋石に変化している。本産地の竹葉石には竹葉状部分の周辺が灰色あるいは淡緑色を呈するものがあり,今回灰色を呈する竹葉石中の蛇紋石鉱物の鉱物学的性質を調べることを目的とした。X線回折実験により竹葉状部分(黒色部)はリザーダイト,少量の磁鉄鉱と滑石からなると同定し,走査型電子顕微鏡観察により蛇紋石の網目構造が確認された。また,竹葉状部分の周辺部(灰色部)は滑石とリザーダイトからなると同定したが,透過型電子顕微鏡によりさらなる微細組織観察を行うと,リザーダイト様蛇紋石だけでなく不完全な構造のクリソタイルや,一部にはアンチゴライトも確認された。

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