日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2018年年会
セッションID: R7-P03
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R7:岩石・鉱物・鉱床一般(資源地質学会共催セッション)
礫及び転石からみた嶺岡帯構成岩石のバリエーション
*高橋 直樹
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抄録
房総半島嶺岡帯は本邦で最も新しい第三紀のオフィオライト帯である。しかし,当地帯は現世の活動も想定される構造帯であり,地すべりが発達し,露頭状況が極めて不良である。しかし,海岸や河床の転石,礫岩中の礫を観察すると,かなりの種類の岩石が認められる。これらは,小規模ながら,嶺岡帯の起源や発達史を明らかにする上で重要な鍵になると考えられることから,それらのバリエーションを把握し,考察の基礎情報としたい。

 蛇紋岩類では,ハルツバーガイト,ダナイト,レールゾライト,斜長石に富むハルツバーガイト,玄武岩類では無斑晶質のソレアイト質玄武岩・ドレライト,かんらん石や輝石斑晶を含むアルカリ玄武岩,ピクライト玄武岩,ケルスート閃石を含む玄武岩,深成岩類では角閃石斑れい岩,輝石斑れい岩,かんらん石を含む斑れい岩,輝岩(単斜輝岩,斜方輝岩,複輝石岩),角閃石岩,閃緑岩~石英閃緑岩~トーナル岩,さらに,変斑れい岩,曹長岩,透閃石~アクチノ閃石岩などの変質岩も見られる。

 以上を総合すると,ホットスポットを含む海洋底のほか,島弧地殻を起源とする岩石もかなり混じえていると推定できる。
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