日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2018年年会
セッションID: R2-P07
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R2:結晶構造・結晶化学・物性・結晶成長・応用鉱物
MnおよびFeを含むaxiniteの精密構造解析
*北原 大太朗杉山 和正有馬 寛三河内 岳
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キーワード: 斧石, XAFS, AXS
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抄録
Axinite(斧石)は組成式X4Y2Al4B2Si8O30(OH)2で表される鉱物であり,Mn を多く含むものはaxinite-Mn,Fe を多く含むものはaxinite-Feと呼ばれる。X 席にはCaが,Y席にはMn2+およびFe2+が分布し, axinite-Mnでは, Alの酸素六面体席に著量のFe3+が固溶しているという報告がある.また,本鉱物は対称心を有するにも関わらず圧電性や焦電性を有するという報告もある. FeとMnのような原子番号の隣り合う元素の秩序化配列がこの特性の発現に関わっていると考えられるが,遷移元素の配列と結晶の特性の関連性について議論するには,各元素の種類と分布を正確に決定する手法の開発が不可欠である.
そこで本研究では,XAFS 法および単結晶X 線異常散乱(AXS)法を用いて,axinite中の遷移元素の分布の詳細を決定することを目的とした.
XAFS法により,MnはほぼMn2+として存在し,MnとFeの総数が多いaxinite中のFeは一部がFe3+として存在することがわかった.またAXS法により,Feの分布の可視化に成功した.
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© 2018 日本鉱物科学会
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