日本看護管理学会誌
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資料
40代看護師にとっての仕事の意味
高柴 律子佐藤 紀子
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キーワード: 40代看護師, 仕事, 意味
ジャーナル オープンアクセス

2013 年 17 巻 1 号 p. 57-66

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抄録

本研究の目的は,40代看護師が配属された職場で活き活きと働き続けることを支援するために,40代看護師の経験に焦点をあて,個々の看護師が培ってきた仕事の意味を明らかにする事である.方法は,関東周辺にある一般病院の3施設に20年以上継続して働き役職に就いていない10名を対象に,半構成的質問項目を用いて面接調査を実施し,質的帰納的に分析した.その結果,15のカテゴリー《患者からひとりの人間として信頼される》《患者に寄り添えることが働く力》《今までの考えを変えるほどの出来事や経験》《気がついたら人生の折り返し》《自分の状況を年代に当てはめ納得する》《一歩引いたところに居る》《他者に期待せずに自分から関わる》《仲間としての医師》《自分の看護実践の自信》《後輩たちを守りながら育てたい,でも思いやりはもってね》《役職に就かず働き続けたい,でも役職に就きたい気持ちもある》《師長や看護部長に対する不満》《師長との微妙な関係は辛い》《ベッドサイドで患者とじっくり関われない辛さ》《世の中ぜ~んぶコミュニケーション不足》が生成され,3つのコアカテゴリー〔ひとりの人間として患者に寄り添えるのが働く力〕〔気がつくと柔軟な自分〕〔辛いこと不満なことも働くバネ〕として収束した.

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© 2013 一般社団法人 日本看護管理学会
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