日本看護管理学会誌
Online ISSN : 2189-6852
Print ISSN : 1347-0140
ISSN-L : 1347-0140
報告
「看護必要度による患者分類」導入に関する研究
―看護必要度チェック結果の一致度調査―
成田 康子田中 由紀子西川 美智子金井 Pak 雅子鶴田 恵子平井 さよ子藤本 真記子佐藤 愛上泉 和子
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 5 巻 1 号 p. 32-43

詳細
抄録

本研究の目的は,看護必要度による患者分類チェックツール「看護必要度チェック票」の精度の検討,ならびに適正なチェックを行うための方法を検討するために,複数の看護必要度チェック者による測定結果の一致度ならびに不一致の原因の探求を行うことである.

厚生省看護必要度プレテスト20病院の中から2病院を選択し,チームナーシングを行っている病棟を各1病棟ずつ選択し調査した.看護必要度チェック表は,1人の患者に対して,婦長・その日のリーダー看護婦・受け持ち看護婦の3者がチェックし,各項目ごとに3者の一致度を見た.結果,一致度が低かった項目は,順に「31. 不安」36%,「12. 状態」51.6%,「21. 洗髪」55.9%,「6. 血圧測定」61.3%,「19. 移動方法」65.2%,「36. 看護必要度」65.4%,「13. 安静度」65.6%,「16. 起き上がり」70.6%であった.一致度を下げる原因としては,1. 設問の概念理解の不徹底とアセスメント技術のばらつき,2. 判断の際に評価者の内的基準を用いることによるばらつき,3. 患者の状態の変化が大きいことによる評価のばらつき,4. 指示内容を問うているのか,実際の活動状況を問うているのか判断に迷う,5. 設問の状態の発生頻度が少ないことによる評価のばらつき,6. 記録の不備による評価のばらつき,7. 状態を評価する時間帯設定が設問により異なること,8. 状態をあらわす選択肢の表現が不適切であることが明確になった.

著者関連情報
© 2001 一般社団法人 日本看護管理学会
前の記事
feedback
Top